【Story of Builders】ピーター・クランシア【第2回】

選手紹介

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皆さんこんにちは。

第2回のStory of Buildersはピーター・クランシア選手(Petar Klančir)です。私は綴りのままピーター・クランシアと読んでいますが、恐らく間違えていますのでご了承ください笑

5月末に行われたCalifornia State Proにピーター(以下敬称略)が出場しており、その独特な骨格に魅了され、今回彼について調べたいと思いました。

調べていくうちに面白い話がたくさん出てきたので皆さんとシェアしたいと思います。

そして実は5年ぶりのプロのステージだということですか、彼がなぜそんなに長期間大会に出なかったのかというについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!

 

目次

基本プロフィール

身長:約180cm(5.11ft)

体重:約113kg(大会時)

国籍:クロアチア

生年月日:1990年4月7日(現在32歳)

 

 

生まれ~プロになるまで

 

ピーター坊やは1990年4月7日、クロアチアの首都ザグレブで生まれます。

幼いころから周りの子たちよりも運動神経に優れており、その恵まれた才能を武器に9歳から陸上競技を始めます。

そして13歳になったピーターは、100m300mハードルの部門でクロアチアの全国大会に出場します。

大会では、見事にジュニアのナショナルレコードを打ち出し、ぶっちぎりで優勝しました。

そんな華々しい経歴を持つピーターですが、彼に不幸が訪れます。

 

15歳の時、いつも通り家の外をランニングしていると、交通事故に巻き込まれてしまい、右足に大怪我をします。

彼は怪我が原因で約半年もの間、まともに歩くことすらできなくなってしまいました。

しかし、彼は懸命にリハビリを続け、無事に人の手を借りずに歩けるまでになりました。

そのリハビリの過程で、彼はジムで簡単なトレーニングを行っていました。

 

その時こそが彼の人生のターニングポイントでした。

 

彼は短期間のリハビリの中で、体重を10kg増やすことに成功したのです。

もちろんほぼ寝たきり状態だったため、多くの筋肉が失われていたことは考えられますが、彼はそこに自身のボディビルの才能を見出しました。

退院すると同時に彼はあれだけ打ち込んでいた陸上競技をやめ、ジムに通い、筋トレを始めます。

元々12歳の頃にスクワット100kgを持ち上げるモンスター少年だった彼は、メキメキと頭角を現します。

 

ピーター「僕100kgも挙がったから、もっと重いの扱いたい!」

トレーナー「ダメ!怪我したらどうするの?」

ピーター「…。」

 

当時はもっと挙げられる自信があったピーターですが、トレーナーに止められてしまっていたそうです。しかし、そのトレーナーからはもともと筋肉質だったピーターを見て、陸上かボディビルの2択だと言われていたそうです。

そんなピーターはBIG3を基本にトレーニングを続け、19歳になる頃にはスクワット320kgデッドリフト280kgベンチプレス220kgBIG3の合計820kgという正真正銘のモンスターに進化します。

恐るべき才能、、、。

その才能を生かし、ピーターはパワーリフティングの大会に出ていましたが、だんだんボディビルに興味を持ち始めます。

きっかけはトレーニングマガジンでした。当時はインターネットを使っていなかったため情報源が雑誌しかなかったようです。

雑誌に載っているロニー・コールマンや、ジェイ・カトラーデキスター・ジャクソンなど超大物ボディビルダー達を見て、彼はこう思いました。

 

「俺もいけるんじゃね?」

 

え??????????????????

 

通常の感覚を持っている人間であれば、「すげー!かっけー!!」とか「こんな体になってみたいな~w」と思うところですが、彼はレジェンドたちを見て自分にもできると思ったそうです。

もちろん、ロニー・コールマンジェイ・カトラーも一応同じ人類ですが、普通そんな感想を持てるはずがありません。

やはり、デカくなれる人たちはスタート地点から違う場所にいるのかもしれませんね。

それを機に彼は10年以上ボディビルを意識した生活を24時間365日続けているそうです。

 

そして20歳の時に初めてジュニアの大会に出場します。初めての大会とは思えないほどのすさまじい筋肉量で他の選手を圧倒し、見事に優勝します。

その時の映像が残されていたのでご覧ください。

3:03からが彼のフリーポーズです。

前後に他の選手のフリーポーズが映されていますが、筋肉量で言うと一目瞭然です。

その1年後には同大会のジュニアの部ではなく、成人の部で出場しますが、そこでもまた優勝し、ボディビルダーとして素晴らしいスタートを切ります。

その後、彼は2012年に行われたNational Amateur Body-Builders’ Association(NABBA)Mr.Universeに出場し、トール部門で優勝します。

オーバーオールでは惜しくも敗れてしまいましたが、どの団体に行っても彼は好成績を残してきました。

そして、2014年IFBB主催のArnold Classic Europeにおけるヘビーウェイトのカテゴリーで準優勝し、次の年、彼は同大会に出場し、オーバーオールで見事優勝し、遂にIFBBのプロカードを獲得することができました。

 

IFBBプロとしての活躍

 

彼はIFBBプロになって直後は、かなり意欲的に大会に出場しており、約1年間で6つの大会にエントリーしていました。

主な成績

サンマリノ大会 7位
アーノルド・クラシック・ヨーロッパ 8位
EVLSプラハプロ 8位
ノルディックプロ 3位
シェル・クラシック・ドバイ 4位
カリフォルニアプロ 5位
上位に食い込める実力はあるものの、なかなか優勝することができませんでした。
特にアーノルド・クラシック・ヨーロッパでは名だたる大物ビルダー達に続いての8位だったので、その実力は間違いなく本物でした。
驚くべきことにこの大会では2019年のミスターオリンピアであるブランドン・カリーよりも上位に入っていました。
そして、5月末に行われたカリフォルニアプロで5位に入り、復帰戦としてはまずまずの成績を残します。
彼の体はとてもユニークで、高身長で、胴が長いものの、正面から見た時の背中の広がりがピカイチでした。
また、カーフがとても大きく、カーフに関しては他の選手より良かったと思います。
ただ、コンディションが少し甘く、フラットに見えてしまいました。
コンディションに関して彼は
かなり長時間のフライトで、飛び立つ前は260ポンドだったが、大会時は250ポンドまで落ちてしまっていた。もし5日前にアメリカに着いていれば、もっといいコンディションを持っていけた。
と言っています。一般人からすると1日、2日で4.5kgも落ちるなんて羨ましい限りですが、ボディビルダーからすると致命的です。
今後はより良いコンディションで出場するために、近場のヨーロッパの大会を中心に出る予定とのことです。
そんなピーターですが、実は2017年の大会を最後に大会への出場をやめており、カリフォルニアプロが5年ぶりの大会でした。
一体彼に何が起きたのでしょうか?

大会に出ていなかった理由

 

2022年5月に約5年ぶりにプロのステージに帰ってきたピーター。

彼に一体何が起きていたのか?

 

結論から言うと何も起きていません。

子供の頃のように大きな事故に巻き込まれたわけでも、大病を患ったわけでもないです。
彼は愛する家族との時間を大切にするために大会に出るのをやめていたのです。
(※勘違いしないでほしいのですが、トレーニングをやめていたということではないです。)
ボディビルダーという仕事は簡単なものではなく、大きな犠牲を伴います。
筋肉のために全てを注ぐ必要があり、大会に出るためには食事や睡眠、もちろんトレーニングなどを24時間管理する必要があります。
特に食事は何でも好きなものを食べられるはずもなく、大切な人との食事でも同じものではなく、一人だけ違うものを食べなければならず、自身にとっても、周りの人にとっても大きなストレスになります。
そのストレスが原因になり、人間関係がこじれてしまう可能性も高いです。
そういったことを懸念して、ピーターは家族を大切にするために大会に出るのをやめていました。
彼は現在結婚して、里親として2人の娘さんを育ています。
今でもジムにいる時間以外は、極力家族と過ごしているとのことです。
家族との時間を何よりも大切にするピーターですが、子育てが少し落ち着いてきたのか、復帰することを決断したようです。
大会に出ていた2016年頃はまだ子供がいなかったピーター。
今後は父親としてカッコイイ姿を見せてほしいですね!

 

驚愕の事実

すさまじい体を持っているピーターですが、彼は驚きの食生活を送っています。

なんと、、、

 

約3年間、肉類を一切食べていないベジタリアンなのです!!

 

ただし、彼はベジタリアンの中でも乳製品・卵・魚類は食べるペスカタリアンという分類のようです。

完全菜食主義者であるヴィーガンとは似て非なるものなので注意してください。

ペスカタリアンは魚や卵を食べられるので、タンパク質の摂取にはそこまで困らなさそうですね。

 

どういった経緯でペスカタリアンになったのかは明言していませんが、彼のインスタグラムには、一緒に住んでいるワンちゃんと猫ちゃんの写真をよく載せています。

あくまで推測ですが、その家族を想う気持ちが起因してペスカタリアンになったのではないかと思われます。

何よりも家族を大切に思うピーターなら、今後大会に出ることになっても、これまで通り家族と仲睦まじく生活できそうですね。

 

プチ情報

・大好物はピザでモッツアレラチーズ盛り盛りにするのが好き
・でも基本的にはジャンクフードや甘いものは好きじゃない
・なのにオフシーズンは10000kcalを食べる日もある
・愛車はフォード・プーマ
・憧れの選手はジェイ・カトラー

終わりに

さて、ピーター・クランシアの半生を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

一度は右足に大怪我を負い、大好きな陸上ができなくなってしまっても、リハビリがきっかけで人生が変わり、スプリンターからボディビルダーへ転身したピーター。

どん底の時でもあることがきっかけになり、大きく人生が転じることがあると、彼の人生が教えてくれます。

人生には何が起きるか分かりません。

皆さんも、未来を信じて生きていきましょう!

引用元:https://youtu.be/RPgUkWWMtuk

Petar Klancir - Greatest Physiques
Petar Klancir is a Croatian IFBB Professional bodybuilder. He won his Pro Card in 2015, at the Arnold Classic Amateur in Prague.

 

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